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フードサービス業界の労務相談
「働いてあげている」「働かせてあげている」はトラブルのもと!
現代の飲食業界において、健全な経営状態を保つためには「健全な労働環境の整備」が必要です。しかしながら中小企業、個人自営業が全体の9割以上を占める飲食業界は他のサービス業界同様、健全とは言い難い労働環境により雇用者と従業員間のトラブルが多い業界です。料理業界はそもそも「職人の世界」である事からいわゆる「サラリーマン的」な勤務意識がなく、【働く=奉公=修業→独り立ち】という図式が成立してきた世界ですが、「外食産業」「フードビジネス業界」の名のもと、メジャー業界として確立するには「正しい労務知識」は無視できません。このコーナーでは飲食業界の労働者・雇用者の両者の視点で正しい労務知識を紹介し、雇用者への啓発・提案、そして労働者への権利・責任などを実例をもとに理解していただき、両者にとってトラブルのない健全で分かち合える職場構築のサポートを目指しています。  
今号のご相談内容

今号のご相談内容

「有期労働契約を更新して通算2ヶ月以内、解雇予告は必要か」

質問1

Q.

 契約期間1ヶ月の約束でアルバイトとして働き始めました。その1ヶ月が終わりに近づいたころ、店長から「人手が足りないので、もう1ヶ月働いてくれないか」と打診されました。私はそれに応じ、契約更新してもう1ヶ月働くことにしました。ところが、契約更新から2週間ほどたったところで、「やっぱり人手が十分になったので、今日限りで辞めてほしい」と、解雇されました。さらに、「2ヶ月以内の契約期間なら、解雇予告手当の支払は不要なのだ」とも言われました。本当でしょうか。
【25才 男性】
答え

A.

 契約期間が2ヶ月以内の場合、解雇予告制度が適用されないのは本当ですが、このケースの場合、契約を更新しているので、解雇予告または解雇予告手当が必要となるでしょう。
 労働基準法では、使用者(お店の側)が解雇をしようとする場合、30日以上前に解雇予告するか、平均賃金30日分以上の解雇予告手当を支払わなければなりません(20条)。
 しかし、臨時的な性質の労働者には、解雇予告制度を適用することが困難・不適当であるため、次の4種類の労働者には、解雇予告制度の適用を除外としています(21条)。(1)日雇労働者(2)契約期間が2ヶ月以内の労働者(3)契約期間が4ヶ月以内季節的業務労働者(4)試用期間中の者
 ただし、これら4種類の労働者でも図表のとおり一定の期間を超えて引き続き使用される場合には、解雇予告・解雇予告手当が必要となります。
 ところで、(2)の労働者について、「“所定の期間”を超えて引き続き使用」の“所定の期間”とは、「2ヶ月」のことなのか「当初の契約期間」なのか、法律の条文では明らかではありません。ただ、異なる学説はあるものの、行政解釈では、後者の「当初の契約期間」としています(厚生労働省労働基準局編 労働基準法コンメンタール)。
 ご質問のケースに当てはめてみましょう。当初の契約期間1ヶ月の途中で解雇する場合には、解雇予告制度は適用されませんでした。しかし、そこから1回でも更新すると「所定の期間を超えて引き続き使用」されたことになり、たとえ通算2ヶ月以内であっても、契約期間満了前に解雇する場合には、解雇予告又は解雇予告手当が必要となるというわけです。
 さて、解雇予告制度については以上のとおりですが、そもそも「やむを得ない事由」が無ければ、有期契約労働者を契約期間の途中で解雇することはできません(民法628条、労働契約法17条1項)。この「やむを得ない事由」とは、期間の定めのない労働者(正社員)を解雇する場合に必要とされる「客観的に合理的な理由」&「社会通念上の相当性」(労働契約法16条)よりも厳しい(使用者にとって解雇するためのハードルが、より高い)要件とされています。ご質問のような「人手が足りるようになったから」という理由では、とうてい「やむを得ない事由」としては認められず、解雇は無効となるでしょう。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 解雇予告制度については、それなりに知られているようですが(今回のケースのような誤解は多いものの)、その解雇が有効となるか否かという発想が、まだまだ飲食店側には不足しているように見受けられます。有期契約労働者を契約期間途中で解雇する場合には、正社員を解雇するよりも、むしろ難しいということには留意してください。
飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒115-0055 東京都北区赤羽西6-15-12

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