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フードサービス業界の労務相談
「働いてあげている」「働かせてあげている」はトラブルのもと!
現代の飲食業界において、健全な経営状態を保つためには「健全な労働環境の整備」が必要です。しかしながら中小企業、個人自営業が全体の9割以上を占める飲食業界は他のサービス業界同様、健全とは言い難い労働環境により雇用者と従業員間のトラブルが多い業界です。料理業界はそもそも「職人の世界」である事からいわゆる「サラリーマン的」な勤務意識がなく、【働く=奉公=修業→独り立ち】という図式が成立してきた世界ですが、「外食産業」「フードビジネス業界」の名のもと、メジャー業界として確立するには「正しい労務知識」は無視できません。このコーナーでは飲食業界の労働者・雇用者の両者の視点で正しい労務知識を紹介し、雇用者への啓発・提案、そして労働者への権利・責任などを実例をもとに理解していただき、両者にとってトラブルのない健全で分かち合える職場構築のサポートを目指しています。  
今号のご相談内容

今号のご相談内容

「賃貸住宅居住者に一律定額で支給される「住宅手当」は、割増賃金の基礎から除外できるか」

質問1

Q.

 私の勤めるお店では、賃貸住宅に住んでいる者には、一律2万円の住宅手当が支給されています。先日、残業代の計算方法を教えてもらったところ、この住宅手当は時間単価の計算に含まれていないようでした。「住宅手当は、法律で残業代の計算に含めなくていいことになってるんだ」と教えられましたが本当でしょうか。
【31才 女性】
答え

A.

 住宅手当を残業代の計算に含めなくてもよい場合もありますが、あなたが支給されている住宅手当は、計算に含めなければなりません。
 法定時間を超えて残業した場合の「時間外労働」には25%の、1週1日または4週4日の法定休日に労働した場合の「休日労働」には35%の、22時から翌5時までに労働した場合の「深夜労働」には25%の、それぞれ定められた割増率で計算した割増賃金を、使用者(お店の側)は、支給しなければなりません。月給制の場合、割増率を掛ける「1時間あたりの賃金」は、月給額を「1年間における1ヶ月平均所定労働時間」で割って算出します。この算出に用いる賃金には、一定の賃金は除外することになっています。その除外する賃金は、(1)家族手当(2)通勤手当(3)別居手当(4)子女教育手当(5)住宅手当(6)臨時に支払われた賃金(7)1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金、の7種類が限定的に列挙されています(労働基準法施行規則21条)。重要なことは、これらの賃金を除外する際には、単に名称によるのではなく、その実質によって取り扱うこととされていることです。
 例えば、「家族手当」という名称で支給されていても家族数に関係無く一律に支給されているなら、それは除外できる賃金にはあたりません。逆に、物価手当、生活手当等の名称で支給されていても、扶養家族数を基礎に算出されていれば、ここでいう家族手当に該当し、除外できる賃金となります。
 では、「住宅手当」の場合はどうでしょうか。基本的な考え方として、除外できるのは「住宅に要する費用に応じて算定される手当」ということになります。「住宅に要する費用」とは、賃貸住宅については、居住に必要な住宅の賃借のために必要な費用、持家については、居住に必要な住宅の購入、管理等のために必要な費用のことです。行政通達ではさらに具体的に、除外できる住宅手当にあたる例、あたらない例について、図表のように例示されています(平11.3.11基発170号)。
 ご質問のような、「賃貸住宅居住者に一律2万円」という具合に定額で支給される住宅手当は、ここで例示されているように、割増賃金の基礎から除外される住宅手当にはあたりません
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 割増賃金の基礎となる賃金から除外できる賃金は、本文で挙げた7種類だけに限定されています。したがって、役職手当や精勤・皆勤手当といった手当は、割増賃金の計算に含めなくてはならないことにも注意してください。
飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒115-0055 東京都北区赤羽西6-15-12

業務案内:給与計算、労働・社会保険の手続き代行、就業規則の診断・作成 店長・管理職対象労務研修の実施、人事・労務相談

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