飲食求人・レストラン求人・飲食店転職・就職 グルメキャリー首都圏版

地域
変更

リーダーに聞け!タイトル
メイン

2014年12月掲載

地元の人や企業に生かされ、育てられていると実感

 都会なのに潮風の香りがする。ターミナル駅なのになぜかほっとする。東京にはない、この街らしさが輝いている。そんな共通の想いを抱いて、横浜の大好きな飲食人たちがチームワークよく5店舗を展開している企業がある。それが「株式会社アサヒビヤーレストラン」だ。
 創業者は青木氏の父親だった。体調を崩したことをきっかけに、青木氏が入社し、現場を任されることに。
「横浜市中央卸売市場の魚屋さん、青果店さん、地元の酒屋さん、不動産会社さん、内装会社さん、さらには古くからの常連客のみなさんや板前さんなど、先代がおつきあいを深めてきた方々や協力会社さまといった『財産』をそのまま受け継ぐことになった私はとても幸せものだと思います。私は、そうした人や会社とのおつきあいをさらに深め、地元密着の外食企業として成長していきたいと考えています」
 週に5日通う市場では、なじみの魚屋さんが極上の鮮魚を提供してくれる。クーラーボックスに詰めて、早朝のまだ誰もいない店舗の冷蔵庫にしまう。
 日本酒やワインなどのアルコール類は仕入れ担当者の仕事だ。やはり先代からおつきあいがつづく酒屋さんから、季節の日本酒やいち早く入荷したワインを仕入れることができる。
 大先輩のベテラン料理人からは食材の旬について学びながらコミュニケーションを重ね、若い板前さんの育成もお願いしてきた。
「地元の人や企業に生かされ、育てられていると、本当に実感しているんです。おかげさまで人も育ち、ときどき東京への出店チャンスというありがたいお話もいただくのですが、丁重にお断りしています。東京でまったく新しい企業さんとコラボすることは、地元密着を企業理念に置いている私たちの方向性とは相反するからです」
 社内の誰よりも、横浜にこだわり、創業時の原点を見つめているのが、青木氏かもしれない。
「横浜で何十店舗も展開するような企業になれたとしてもですよ、心意気は地元の青木商店だと(笑)。そういうスタンスだけは決して忘れないようにしています」

全国のうまいもんを横浜で、の多産地消スタイル

株式会社 アサヒビヤーレストラン
代表取締役
青木 康真
Yasumichi Aoki
1978年、横須賀生まれ。父親が家業としてそば店、和食店を経営し、その背中を見ながら幼少期を過ごす。大学でエンジン工学を専攻し、就職もするが退職後はレストランの食品営業や現場を経験。父親の会社を引き継ぐために2007年、アサヒビヤーレストランに店長職として入社。2009年、代表取締役就任。現在、横浜駅エリアで直営5店舗展開中。

 現在の店舗は横浜駅のふたつのエリアに集中している。ひとつは、大人のビジネスパーソンが集う鶴屋町エリア。もうひとつは、若者たちでにぎわう南幸町エリアだ。
 鶴屋町では75席の大箱でもある旗艦店「魚鶴」や「ワインバル青木酒店本店」を、南幸町ではリニューアルオープンする「三代目魚河岸 青木鮮魚店」や「ワインバル青木酒店西口店」を展開。地元の人の流れを知り尽くした空間、メニュー、サービスで自分たちらしさを表現している。今後は、横浜駅東口も出店エリアとして視野に入れている。
 しかし、食材も横浜産や神奈川県産にこだわっているかというと、それは違う。朝獲れの三崎港直送の鮮魚ももちろん仕入れるが、魚に関しては日本全国で水揚げされた旬の魚介たちを大量に入荷するのだ。
 キッチンには、和の業態で魚をさばいてきた経験者が集まりつつある。そして自らの飲食人生の第2ステージ、第3ステージとして活躍している。
「まず刺身ありき、という考えで仕入れを考えています。地産地消という言葉をもじれば、『多産地消』ということになるでしょうか。四季のある日本の大地と海で育まれた旬を追いかけ、ここ横浜で提供していきたいんですよね。全国のおいしい旬を、銀座や六本木ではなく、地元の横浜で気軽に味わっていただきたいのです」
 「魚鶴」ではエントランスからテーブル席へとつづくアプローチが立ち飲みも可能な日本酒バルともいえるスペースになっており、全国から厳選された旬の日本酒や焼酎が壁面にディスプレイされている。
 一方、ワインバルの「青木酒店」では、極太25センチもある自家製ソーセージや塊肉!400グラムものローストポークが名物メニュー。グループでも、男のひとり飲みにもマッチするガブ飲みとガッツリ食い系が人気だ。
 各店舗はいずれも路面店の立地。商業施設への出店には興味がない。
「自分たちらしさを表現する上では、やはり路面店がやりやすいですね。酒と魚のうまい、あの店に行こう!と、わざわざご来店いただける店でありたいと思っています。横浜駅西口の再開発も進んでいます。東口の街並みも日々整備されて、外食企業にとって横浜駅周辺は、もしかしたら東京以上にとてつもなく大きなポテンシャルが潜んでいると感じています」

社員全員が神奈川県人 だからチームワーク良好

 すべての店舗が徒歩圏でつながっていることもあって、青木氏は毎日のように人が不足気味の現場に入り、サポート役に回る。仕事そのものはもちろん厳しく、精度の高さにもこだわっている。しかし、アイドルタイムになると、年上・年下の隔てなく、和気あいあいと談笑している姿が印象的である。
「社員全員が神奈川県人ですから(笑)。どこか気持ちが分かり合えているんですね。午前中にサーフィンしてから出勤する者もいます。ヘトヘトになるまでやるなよって注意しますけどね」
 青木氏と同世代の30~40代のスタッフが多い。
 都内のレストランで仕事をして、1時間以上もかかる電車通勤そのものに疲れ、地元横浜で働きたいと転職したスタッフもいる。
 神奈川県に暮らす人間にとって、横浜というエリアはブランドのような魅力があるものなのだ。
 「魚鶴」ではラストオーダーが22時45分、23時30分には営業終了となっている。これも、スタッフたちが早めに帰宅できるようにしたいと願う、青木氏の配慮のひとつだ。
「17時から24時、深夜営業なしでもしっかりと利益が出る仕組みをつくっていきたいと思っています」
 早朝の仕入れからラストオーダーの現場サポートまで、いちばん仕事量の多い青木氏も含め、きちんと仕事をしながらも家庭をもち、ときにはスポーツに汗を流す。そうしたライフスタイルを楽しめる会社にしていこうという精神的カルチャーがある。
「まだまだ私が経営者として成長していく必要があります。社内の環境づくりを進めていきたいですね。飲食店の仕事というのは、もっともっと楽しくなる可能性があると思っています。コンセプトをなぞったり、数字を追いかけたり。確かにそれも大切なことですけどね。そういうことだけじゃなく、本当に自分がやりたいことがあれば、それをやれる環境を整備しているところです。地元横浜で長く働ける会社が理想ですね」


取材店舗/魚鶴 ~魚店 横浜鶴屋~
株式会社 アサヒビヤーレストラン ─ 店舗情報 ─
魚鶴 ~魚店 横浜鶴屋~
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-13-6
ヨコハマスポーツプラザ1F
電 話/045-323-1654

三代目魚河岸 青木鮮魚店
神奈川県横浜市西区南幸2-7-3
小安ビル1F
電 話/045-312-1139

横浜ワインバル青木酒店 本店
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-16-2
YT16ビル1F
電 話/045-313-6768

ワインバル青木酒店 横浜西口店
神奈川県横浜市西区南幸2-6-1
山田ビル1F
電 話/045-311-7476

炭焼きCAMP 横浜
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-16-2
YT16ビル2F
電 話/045-313-0052

現在5店舗展開中

バックナンバーはこちら