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2013年9月掲載

とんがりすぎず、飲食店のベーシックなよさを表現

 30才まで、皿洗いの経験もなかった堀田氏。飲食業との接点は、グルメサイト「ぐるなび」の創業メンバーの一員として、営業に携わったことだった。埼玉エリアのさまざまな飲食店に飛び込み、オーナーの話に耳を傾け、現場の苦労や喜びを知るたびに、飲食業そのものに興味をもつようになる。
「社長の古澤と出会ったときは、まだ古澤が個人店を開業し、ひとりで店を回しているような時代でした。その後、再会したときに、一緒にやらないかと声をかけていただいたのが、入社のきっかけでした。皿も洗ったことがないと告げると『家業じゃなく、企業としてやっていきたい。人を育て、店舗展開をし、ほかの業界に負けないような、社員が胸を張れる会社にしていきたい。そのためのマネジメントをやってほしい』と。そういう経験もなかったわけですが、チャレンジしますということになりました」
 埼玉県生まれの堀田氏は、土地勘こそあったものの、どんなレストランが求められているのか、どんな業態がヒットするのか、市場動向がつかめず、しばらくは試行錯誤がつづいた。
「初期のころの業態でマンションの一室をつかった超隠れ家的ダイニングをオープンさせたときに分かったのですが、あまりにとんがった業態、エッジのきいた飲食店はなかなか受け入れられないことが分かりました。むしろ、家族やサラリーマン、カップルが日常的に使えるような業態。鮮魚が美味しいとか。惣菜ひとつにも心がこもっているとか。料理の出てくるのが早いとか。やきとりがちゃんと美味しいとか。サービスがあたたかいとか…。そういうベーシックなよさを求められているのだと感じるようになりました」
 コストの高い広告・宣伝はやらず、むしろそうした予算は少しでもいい食材を仕入れ、リーズナブルに提供するなど、お客さまに還元することを徹底している。
 家業から企業へ──。社長から与えられたミッションを人づくり、店づくりの観点から一つひとつ、積み上げてきた。現在は直営20店舗。すでに15名もの独立者まで輩出している。

食材にこだわり。ラーメン、パスタなど、自社の製麺工房も

株式会社 TPD
取締役 堀田 強志
Tsuyoshi Hotta
1975年、埼玉県生まれ。グルメサイト「ぐるなび」の創業時に、営業スタッフとして携わる。上場までの6年間、会社に貢献。その後、「株式会社 TPD」の古澤健志社長と出会い、会社が3店舗を展開中だった2006年に入社。組織づくりを任される。現在、社員60名、店舗数20店舗まで拡大し、働きやすい環境への整備を推進中。

 現在展開しているレストランでは、地元の生産者とコミュニケーションを取りながら野菜を仕入れ、米は香りや甘みを楽しめるよう、店内の石かまどで炊き上げるなど、厳選した食材で手間を惜しまずにつくりあげるのが大きな特徴となっている。〈自社農園お手伝い研修〉と題された「埼玉見沼にある古澤農園」での農業体験も実施。今後、本格的に農業ビジネスに参入する予定もある。
「私たちはラーメン業態も展開していまして、社内で製麺工房も持っているんですよ。そこではラーメンの麺はもちろんですが、パスタなども打っています」
 このように、いい食材を使うことができる環境のもと、スタッフたちは各店舗ごとにメニューづくりも任されている。旬の食材や店のコンセプトを軸にして、スタッフたちがアイデアを出し合い、力を合わせて店を運営しているのだ。それが大きなやりがい、モチベーションを上げることにもつながっている。
 60名もの社員が日々成長し、新店・新業態のキーマンになっていく。そこには「人ありき」という堀田氏の考え方がある。
「まず人なんですね。人が成長して、店を任せられるようになって、はじめて出店があるわけですから。以前は、出店ありきという時代もありました。物件が出たから、じゃあ誰を抜擢しようという順番ですね。ただそれだとスタート時は数字も上向きなのですが、長い目で見ると失速することが多い。やはり人ありきだと、実感するようになりました」
 独立する人にも、融資型、買い取り型など、その人の立場や状況に合った方法で独立を支援してきた。
 では、社員たちが成長できるのはなぜか。堀田氏は、繁盛店が人を育てると指摘する。
「おかげさまで、私たちの店はお客さまに支持されてきました。大変ありがたいことです。成功している店で仕事をするということは、多くを学べるということでもあるんですね。社内的に、仕入れコストや光熱費などもすべて開示しています。なぜ、繁盛しているんだろうって考えると、そこにはやはり理由があるものです。それに気づいたり、追体験できることはとてもいい経験になると思います」
 「(株)TPD」が展開するレストランのファンになったお客さまが、ほかの店舗も紹介してほしい、と尋ねることが多い。ビストロから立ち呑みのお店へと馴染みの店を増やしたり、満席だったことを機に別業態へ移動するなど、「(株)TPD」が展開する店を回遊する地元ファンは多い。これは企業として認知されはじめたことを意味する。

がんばれ、と精神論だけでは社員はついてこない

 レストランで年間2~3店舗、ラーメン業態で年間5~10店舗の拡大をめざし、5年後には50億の売り上げを目標に掲げている。さらに、来年から新卒の採用もはじめる。
 自分ががんばれば、会社も成長するというダイナミズムを社員たちも実感している。
「がんばれ、がんばれと、精神論だけで言っても、社員はついてこないと思うんですね。もっと具体的な先の世界が見えてこないと。たとえば週休2日制や社会保障、独立制度、公平に人を評価してボーナスを年2回にするなど、そうした目に見える環境をつくっていくことが求められていると思います。また、それが今の私のミッションでもあります。やればやるだけ、自分にもかえってくる。そうやって長く働ける企業をめざしていきます」
 湘南・茅ヶ崎にも2店舗出店を果たし、海の好きな若いスタッフたちがいきいきと活躍している。また、ラーメン業態も5店舗をオープンし、行列のたえない店舗もある。社員寮も完備し、地方からの採用にも力を入れ、引越支度金などの制度も導入している。
 入社当時、古澤社長と話し合った企業としての成長、拡大、環境整備は、徐々にカタチとなってきている。
「すでに15名もの独立者を生んでいますけど、社員が安心して生涯働ける企業でもありたいと思っています。スタッフたちと共に、いろいろなことをチャレンジしながら、なんとかここまでやってこれました。今、ようやく企業として1年生になれたと思っているんです。ほんとうの成長へのステージは、これからだと思っています」
 30才まで飲食の現場を経験したことのない堀田氏。今では、スーツを脱ぎ、新店に入り、現場でサポート役としても活躍する。堀田氏にとっても、チャレンジがいっぱいの企業なのだ。


ご飯とお惣菜 おくどさん(取材店舗)
株式会社 TPD ─ 店舗情報 ─
ご飯とお惣菜 おくどさん
埼玉県さいたま市南区沼影1-13-1
ナリアテラス1F
電 話/048-865-6665

PASTA BAR Buon Viaggio
埼玉県さいたま市大宮区宮町1-5
銀座ビルB1F
電 話/048-631-3666

農家の居酒屋 煉
埼玉県さいたま市緑区東浦和5-10-10
STビル1F
電 話/048-810-5119

畑のBistro ZAN
埼玉県さいたま市浦和区仲町1-1-10
ウイングビルB1F
電 話/048-832-9699

阿久根 魚鈎
埼玉県さいたま市南区白幡5-19-19
武蔵浦和マーレB館2F
電 話/048-710-6606
0760
埼玉県さいたま市大宮区宮町2-108-3
電 話/048-631-0760

魚とワイン Sea Hook
埼玉県さいたま市南区白幡5-19-19
武蔵浦和マーレA館2F
電 話/048-710-4004

鶏そば 一瑳
埼玉県さいたま市浦和区高砂1-8-11
電 話/048-822-6611

southern-beach Cafe
神奈川県茅ヶ崎市中海岸4-12986
電 話/0467-82-4445

全20店舗運営
http://www.tpd-jo.co.jp

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