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リーダーに聞け

2012年6月掲載

やりがいと安定した生活。ふたつを両立できる環境へ

 飲食業で仕事をしたいと思っている 人には、目標やライフスタイルによって様々なタイプがいる。新卒でゼロか ら学びたい人もいれば、独立に向けて 自己資金を貯めるためにがむしゃらに 働きたい人もいる。あこがれの有名企 業やレストランでキャリアを積みたい人、後先考えずに毎日を日銭と楽しさだけでやり過ごす人もいるだろう。
「当社は極めて現実主義。ダメなものはダメ、良いものは良い。当たり前の事を全うする。一般に飲食人の仕事レベルは低い、他業種の計画的な仕事に比べ、場当り的にこなすことが多く、店も個人も進歩、成長がない。これでは将来が見えない。不安から逃げることで今日を楽しむというお気楽な考えに至る。経験が豊富で実力がある人でも、歳をとり、現実の厳しさの中で家族や子供をもつと、挑戦を諦める。自分の力を発揮できなくなり、結果的に悪循環する。そうすると本当は今の仕事が好きなのにやりたくない仕事に転職して、家庭や生活を優先する。でも、そういう人は仕事のやりがいや自己実現、達成感を犠牲にして、安定した生活という希望を手にしているわけです。しかし、満足や納得が本当にあるのだろうか、飲食業で仕事をすることの難しさってそこにあると思います。つまり、やりがいと安定した生活が両立しにくい。私は、そこを解決できる組織をつくろうと思ったんです」
 ひとつの組織にいながら人生設計もでき、そこにやりがいのある業態やポジションがある企業はまだまだ多くはない。「イーデザイン」はまだ若い会社でありながら、各種社会保険が完備のうえ、有給や子供手当、残業手当、休日出勤手当など手当も充実。社員が自らの目標やライフスタイルに合わせ、休日や深夜労働などを選択できる。
 そして、スペインバル、焼き鳥、イタリアン、居酒屋など、幅広い業態があり、いずれも恵比寿~表参道が拠点のエッジの効いたレストランを展開しているのだ。
「プロフェッショナルな飲食人がやりがいのある業態で、納得できる労働力 と報酬で、生涯働ける企業になれるよ う、環境づくりを進めています。まだ 7店舗ですが、これからも寿司やフレ ンチ、ラーメン店など業態の幅をマル チに広げようと思っています」

「仕事の可視化」によって、公平に評価する

歩み

 社員が納得して働ける環境をつくる ことを大きなテーマに掲げている佐藤 氏だが、その考え方を支えているのが 「従業員満足(ES)」と「お客様満足(CS)」とのバランスだ。
「社員が今の仕事や環境に納得できずに店を運営して、お客様を納得させられるはずはない。満足の前に納得が大事です。社員がストレスや不安を抱えたまま、お客様が心地よくなるようなサービスをしようとしても無理がありますよね。従業員満足とお客様満足は、つまりイコールであるというのが私の考えでもあるのです」
 飲み放題はやらない。料理に関しては出来立てで素材以上に管理に重きを置く。良い素材も管理が悪くては価値が落ちる。見栄えだけの本質を伴わない盛付もしない。全てに意味があり、意図する創造、ストーリーがある。引き算でも足し算でもない。余計な事をしない、伝わらないことは意味がない。素材が良ければそれを全面に訴える。それがお客様の視点から見ると、気軽に美味しく通える店として映る。物事のわかり易さということが全てに共通する。佐藤氏の経営に対する考え方が、料理やサービスのオペレーションにおいてもきめ細かく表現され、成功しているのだ。ここにもお客様=従業員という考えがある。従業員満足を確立するためには、公平に評価することが大事であると、佐藤氏は言う。
「己の成長のためには、数字を有言実行してもらうんです。会社からは最低ラインだけ示し、それが達成できれば給料が上がる。上がった給料は、逆の理由で下がることにもなる。超えた分は全てインセンティブとして還元する。保証のある中で個人店と同様にリターンがある。会社は環境を提供し、結果への適正な評価をし、成長と促しをします。そういう公平性を組織としてやっているんですね」

「飲食の王道」スタンダード、当たり前のことをちゃんとやる

リーダー

 「イーデザイン」では『仕事の可視化』を進めることによって、社内にさらされている環境をつくっている。
「例えば、POSシステムはすべて自動処理され、結果だけが見えますけど、私たちの現場はいちいち手入力するシステム。そのひと手間によって、経費の無駄や食材のロスや発注などの毎日の仕事がリアルに実感でき、手作業でありながら当日までの利益まで見えるんです。そうすると、これまで意識的にやっていた経費削減などを無意識にできるようになるんですね。意識から無意識へ。これが常識です。料理や接客も慣れてしまえば無意識でしかない。組織としてできるようになったら、大きな強みになるのではないでしょうか」
 新店、新業態を立ち上げていくときの大きなテーマは、日常的に利用して もらえるアットホームな「気軽さ」にあ るようだ。立ち飲みのスペインバルをはじめ、ひとりでもカウンターで楽しめる「焼鶏 松本」、自家製手打ちパスタやイタリア郷土料理を堪能できる「マジカメンテ」、そして、最新店が王道ともいえる「居酒屋 佐藤」である。
「選ぶのはお客様、万人受けする飲食店なんてない。個性が魅力。繁盛し続けるという結果が答えでしかない。私たちの考え方が凝縮された、やることに意義のある店、チャレンジしがいのある店を展開していきます。本部機能は最小限にとどめ、直営10店舗を超えたらその後はグループ店としてどんどん独立してもらう方向性を考えています。本来、独立して自分の店をもつということは、どの時代においてもとてもリスクの高いこと。でも組織のグループの中での独立なら、独立イコール孤立にはならないですから」
 社員には己の理解を促し、まず考え方やあり方を教育する。自分の将来設計をしてもらう。本気で仕事ができる環境であることで、やりがいと生活の安定を両立できる。何か極端なことをやっているわけではない。むしろ、スタンダードなこと、当たり前のことをちゃんとやる。コンプライアンスを遵守する。それが、佐藤氏のやりたいことなのかもしれない。


スペインバル エル ヴエロ(取材店舗)
店舗情報
スペインバル エル ヴエロ
東京都渋谷区神宮前5-50-6 サクセス青山ビル2F
tel:03-6427-7197
スペインバル ガポス
東京都渋谷区恵比寿西1-3-8 廣田ビル101
tel:03-5728-4741
246 ボデガス ガパ
東京都渋谷区恵比寿西1-4-1 VANDAビルB1F
tel:03-5459-5524
地中海バル クアトロ
東京都渋谷区恵比寿南1-7-8
ニューライフ恵比寿1F
tel:03-3714-9196
アンティカ オステリア マジカメンテ
東京都渋谷区恵比寿西1-13-6 ブラッサムZEN1F
tel:03-5459-5779
焼鶏 松本
東京都渋谷区恵比寿西2-11-8 ROOB5ビル1F
tel:03-3462-5009
居酒屋 佐藤
東京都渋谷区恵比寿西1-8-2
ウエストパレスビル103
tel:03-6416-3703
http://www.edesing.co.jp/
  • 文 高木正人
  • 写真 yama

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