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株式会社 せんざん 代表取締役 山泉 篤さん

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“家族”をテーマに、どこまでも追求
どこまでもチャレンジ

株式会社 せんざん

代表取締役

山泉 篤

Atsushi Yamaizumi

1953年、山形県生まれ。高校卒業後、横浜の寿司店で下働きを始め、寿司・和食の修業を積む。24才で港南台に小さな寿司店を開業する。1987年、店名を「海鮮茶屋せんざん本店」に改める。1988年、株式会社 せんざんを設立。現在、神奈川県を中心に和食・寿司・焼肉・とんかつ等の11ブランド29店舗を展開中。

2017年9月掲載

神奈川県を中心として着実に展開 多業態の11ブランド29店舗を運営

 会社設立から30年、せんざんは神奈川県を中心として着実に店舗拡大を進めてきた。現在、11ブランド29店舗を展開。和食・寿司・焼肉・とんかつ等、業態は多岐にわたっている。多業態開発を推進してきたベースには、「テーマは家族」という人を大切にする企業風土があると代表の山泉氏は語る。

「社員は皆、子どもとして成長を促すように勉強会などを開いています。成長を遂げれば、次のステージが必要です。本部から行き来できる状態にするには、神奈川県が中心。ところが、店舗が増えると自社競合になるエリアが生じてしまいます。そこで、利用動機の異なる業態を開発しました。それにより、お客様は『せんざん』にもそちらの店にも行くでしょう。あるいは、『せんざん』を利用したことのない人でも、その店なら行くという場合もあるかもしれません。こうして、現在のように業態が増えていったのです」

 ただし、「何でも屋になってはいけない」と、プロフェッショナルを育成するための教育を徹底。全店舗に共通する確固とした基本理念がある。

「すべて手づくりで、健康に配慮しています。最初に業態開発したのは『かつ泉』です。油っぽいイメージのとんかつを、いかにヘルシーに提供するかということに力を注ぎました。コレステロールゼロの植物油を用いて、必ずオーダーをとってから調理を行います。パン粉1つにも気泡は何ミリ、糖度はいくつと比較して、油切れが良く、肉と一番相性のいいものを選んでいます。油の酸化を防ぐ仕組みができているので胃もたれしないんですよ」

 とんかつという1つの業態についての説明を聞くだけでも、多くのお客様から支持される理由がうかがい知れる。選りすぐった本物の素材を使い、手間ひまかけて調理することにこだわり抜く――そこにこそ、せんざんグループの最大の強みがあるのだろう。

しかしながら、その指摘を山泉氏はやんわりと否定する。

 「美味しいことも健康的で安心できることも、もちろん大切です。でも、それだけでは未来がありません」

消費構造が激変する時代に対応 今年度の方針は“モノからコトへ”

 人口が年々減少する日本において、消費構造は大変化している。今までと同じアプローチでは、この時代の波を乗り切れないと、山泉氏は力説する。

「外食市場規模は1997年の29兆円をピークに、現在24兆円まで縮小しています。その一方、店の数は増え続けている。単純に割り算すると、1店あたりのパイはピーク時の6割しかない。お客様はいないのに店は減らないのですから、競争はますます激化していくでしょう。果たして、未来はどうなるのか。時代の流れに応じて営業方針を変えていかなければなりません」

 今年、全社をあげて取り組む方針は「モノからコトへを確立する」。市場の成熟化に伴う、体験に価値を置く消費活動“コト消費”を反映した戦略だ。

「美味しい料理はモノです。要は、それをいかにうまく伝えるか。一方通行ではなく、お客様参加型の形をとらなければなりません。具体的には、昨年から『いらっしゃいませ』を禁止しました。昼なら『こんにちは』、夜なら『こんばんは』と、あいさつの言葉を変えるだけで、お客様の態度や表情が和らぎます。いつも無言で帰っていた人にも『また来るね』と言っていただけるようになりました。さらに、店の前を歩いている人たちにも声をかけられます。通りがかりの人に、いきなり『いらっしゃいませ』とは言えませんよね。『こんにちは』とあいさつすると、店に興味のある人なら『どういう店なの?』などと質問されます。ターゲットに広がりが生まれるんです」

 あいさつを交わすことは「モノからコトへの入口」になるのだとか。では、コト消費に対応して新たな顧客を獲得するには何が必要になるのか?

「技術や知識は必要ありません。皆さん、答えを既に持っているはずです。自分の行きつけの店を思い浮かべてください。居心地がいいのは店の人と言葉を交わし、わがままもきいてくれるから。それらは全部コトです。じゃあ、『お客様に話しかけている?』とスタッフに聞いてみると、『何々をおすすめしています』と返ってくる。でも、それって自分はがんばっているので、お客様も喜んでくれるという自己満足ではないですか。何も特別なことではなく、『今日は暑いですね』と近所の人と話す感じでいいんです。『お近くですか? 私は○○から来ているんです』なんてお客様にはどうでもいいことかもしれませんが、親近感がわいてくるでしょう。その次は、お客様と自分とのつながりを探すこと。趣味でも何でもいいので、つながったら今度はそこを話せばいい。『私もこういうのが大好きなんです』と言われれば、お客様もうれしいもの。実は、お客様のほうでもお店に好かれたいと思っているんです。それなのに、お互いに反対側を向いていることが多い。声をかけて、つながりを見つけることはそこに架け橋をかけることになります」

優先順位の1番目は従業員 2番目はお客様、3番目が売上

 お客様にとって感じのいい店、誰かを連れてきたくなる店――“コトの関係”を構築できれば、そうなるのは明らか。市場が縮小する中で、勝ち続ける為の大きな武器になるに違いない。

山泉 篤さん

「ただ店長だけができても駄目です。社員1人ひとり、私たちがパートナーさんと呼ぶアルバイトさんやパートさんまでができるようにならなければ」

 山泉氏はそう断言する。せんざんが何よりも人材教育に力を注ぐ所以は、まさにそこにある。新卒者はもちろん、中途入社者に対してもきめ細かな研修を実施。各店からリーダー候補を選抜して、自ら講師を務める“社長塾”も開催している。年1回の決起大会ではアルバイトスタッフも対象とした表彰を行うなど、人材を育成するための様々な仕掛けが用意されている。

「まず従業員、2番目がお客様、3番目が売上という優先順位です。働いている人たちが楽しくなければ、お客様を楽しませられません。自分の仕事が楽しくなれば、周りに良い影響を与えられます。人様のお役に立てる人間になれるのです。何のために生まれてきたのか、人生に何を賭けるのか――それぞれが自分の目標を見つけて、取り組んでもらいたいと思っています」

 すべての従業員を“大切な家族”として、山泉氏は業界に独自のポジジョンを築き上げてきた。「郊外型出店の時代は終わった」とも主張し、今年は繁華街や商業施設を中心とした出店を予定。この次に目指すところは――?

 「目指せ何百億のような目標はありません。時代がものすごい勢いで変化しているのですから、戦略も変わって当然。1つひとつ確実に成長させながら可能性を追求していけば新しい何かに出会うこともあるでしょう。どこまでも追求、どこまでもチャレンジです」

大手町 ワインバル 八十郎商店(取材店舗)
【取材店舗】
海鮮茶屋せんざん本店 港南台本店
株式会社 せんざん ─ 店舗情報 ─

海鮮茶屋せんざん本店 港南台本店

神奈川県横浜市港南区港南台3-17-4

電話:045-831-2855

海鮮茶屋せんざん本店 港北ニュータウン店

神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎南2-11-15

電話:045-942-3335

海鮮茶屋せんざん本店 山手台店

神奈川県横浜市泉区岡津町9-1

電話:045-814-1212

海鮮茶屋せんざん本店 相模原店

神奈川県相模原市中央区相生1-1

電話:042-776-8588

海鮮茶屋せんざん本店 青葉台店

神奈川県横浜市青葉区若草台17-60

電話:045-963-1003

海鮮茶屋せんざん本店 本牧店

神奈川県横浜市中区本牧原17-1 本牧エスタ1F

電話:045-628-6388

海鮮茶屋せんざん本店 大船店

神奈川県鎌倉市大船1-11-17 一蝶ビル2F

電話:0467-42-8111

現在、29店舗展開中


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