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株式会社 セレソン 代表取締役 岡田 章さん

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大切なのは「仕事ができること」より
「仲間に慕われていること」

株式会社 セレソン

代表取締役

岡田 章

Shou Okada

1972年、東京生まれ。大学卒業後、株式会社 WDIに入社。吉祥寺のレストラン「プリミ・バチ」の立ち上げから関わる。退職後は一度家業を手伝うも、飲食業に惹かれ31才でイタリアンシェフ前田好彦氏と現・専務取締役 加藤俊明氏とともに独立。現在は焼肉、ビストロ、トラットリアなど10店舗を展開する。

2018年5月掲載

「人が好きなら飲食業をやるべき」その言葉がすべての始まりだった

 「肉味、楽味(たのしみ)、人間味。3つの味で世界を魅了する」を合言葉に、さまざまな人気店を手がける(株)セレソン。2005年、東京・神田の「塩ホルモン 好ちゃん」からスタートし、現在は焼肉、ビストロ、トラットリアなど10店舗を展開、当初3人だった従業員は社員・アルバイトを含め80名以上にのぼる。代表取締役の岡田章氏は元・ラグビー選手らしい大柄な体躯、明るく大らかな雰囲気で、日本人というよりイタリア人のようだ。

「社会人になる前から、将来は自分で会社をやると決めていました。飲食業にしたのは、学生時代に錚々たる飲食店を展開する某企業の社長と出会い、その方から『人が好きなら、飲食業をやるべきだ』と言われたから。そのとき、将来の目標が定まりました」

 大学卒業後は飲食店について学ぶため、数々のレストランを運営する(株)WDIに就職した。

「面接で宣言したんですよ、『僕は将来独立します』って。社長が『そのくらい言える奴のほうがいいんだよ』と面白がってくださったおかげで、今の僕があります」

 岡田氏は5年後に退職。会社を通じて知り合ったイタリアンシェフ前田好彦氏と、前田氏に紹介された現・専務取締役 加藤俊明氏と共に、3人で「塩ホルモン 好ちゃん」をオープンした。

「ホルモン屋から始めたのは、すでにいい肉の仕入先は確保していたことと、当時お金がなかったので初期投資のかからない店舗にする必要があったから。でもイタリアンの修業をしてきた前田と加藤が得意分野の料理も出したいというので、イタリアンのメニューも出すことにしたんです」

 メニューの左側は塩ホルモン、右側はイタリアンという業態は、女性を中心に爆発的人気を得た。そして1年後には「好ちゃん」の2軒目を、その後北参道にイタリアンレストラン「タンタボッカ」を出店した。

「まずホルモン屋を2軒、3軒目でイタリアンの店をやることまで、最初から決めていました。当時はメインがおいしいイタリアンが少なかったので、僕らがその店になろうと意気込んでいましたね」

 しかし満を持してスタートした「タンタボッカ」の経営は、まったく振るわなかった。

動じず、落ち込まず、浮かれず。いつも同じテンションで仕事する

「月150万の赤字が続きました。他店舗の業績がよかったので乗り切れたけど、さすがに10ヶ月続いた時は『やばいな、どうしよう』と思いましたね。お金のことなんて誰にも相談できませんから、その時期が一番大変でした」

 料理には、自信があった。しかし、当時北参道は駅そのものがなく、店を出しても認知されにくかった。そんな「タンタボッカ」の命運を変えたきっかけは、岡田氏のひらめきだった。

「ふと、ホイップバターのことを思い出したんです。ハワイのアラモアナに、ホイップバターを出す店があるんです。そのときまで、僕にはイタリアン=フォカッチャとオリーブオイルという固定概念があった。でもホイップバターを思い出したとき、『あ、これだ』と直感しました」

 生クリームをホイップしてバターを合わせ燻製し、焼きたてのパンに添える。これが起爆剤となり、「タンタボッカ」の知名度は急上昇、今ではネットの口コミでも断トツに評価が高い。これをきっかけに同社の経営は波にのり、今に至る。

 しかし、岡田氏に浮かれた様子はない。その様子から思い出されるのが、同社サイトにある「プロフェッショナルとは、いつでも同じテンションで仕事できる人のこと」という言葉だ。

「僕は、仕事のやり方として『淡々と進める』ことを大事にしています。動じず、落ち込まず、浮かれず、淡々と。飲食店の仕事はルーティンワークですが、お客様にとってはいつだって初めての体験です。だから『昨日できたことが今日できない』店ではいけません」

 また同社の掲げる「肉味、楽味(たのしみ)、人間味」は、単なる語呂合わせではなく「仕事ができるよりも、皆に慕われているか」という、会社の根幹をなす考え方だという。

「当然仕事ができて慕われる人がいいけど(笑)、飲食業界には、キャリアがあっても『この人と一緒に仕事したくないな』って人がたまにいるんです。そういう人がいると組織全体のバランスが危うくなるので、従業員を守るためにはお引取り頂くしかありません。弊社では従業員に対し、『出世したいなら、下の人から持ち上げられて上がれる人になってほしい』と伝えています。分かりやすく言うと、『あなたが異動するなら、僕もついていきます』と言われるような人。つまり、お客様はもちろん従業員や業者さんにも気配りができ、そして感謝ができる人であってほしいんです。あたりまえのことですが、これができない人はけっこういるので」

目先の売上にとらわれるとどこかで歪みが出てくる

岡田 章さん

 もうひとつ「目先の売上よりも、未来のお客様」も同社の重要な考え方だ。

「例えばクリスマス。店によっては今まで広いテーブルだったのをセパレートして、回転をよくしようとします。でも、そういうときこそ僕の店では広い席で、お客様にくつろいで頂きたいんです。そうすることでお客様は特別な時間を心ゆくまで過ごせるし、それが店の印象をよくしていくと思っています。目先の売上にとらわれると、どこかで歪みが出てくるものですから」

 こうした岡田氏の経営哲学が従業員に浸透し、店を盛り上げていく。

「僕は今まで出会った方々から、大切なことをたくさん教わりました。ある企業の社長は、自分の経営する店を出て、すごく離れたところまで歩いてからタクシーに乗るんです。理由をきいたら、『自分の店を出てすぐタクシーに乗ったら気持ち悪いだろ』と。また『飲食やってるあいだは絶対ベンツに乗るなよ』とも教えてくれました。僕、以前はボルボに乗ってたんですが、あるとき修理に出して、その代車がベンツだったんです。すると、今まで何も言わなかった従業員が『あ、ベンツにしたんですか』って。そのとき『社長が言ってたのはこういうことか』と腑に落ちました。今では、経営者が贅沢をするのは、悪いことがあってもいいことはひとつもないと思っています」

 最後に、今後の展望を聞いた。

「近年中に、イタリア・フィレンツェに肉イタリアンの店を出すと決めています。現地でも、歴史ある店よりサービスのいい店のほうが人気。味も大事だけど、店の将来を決めるのはサービス力で、それは世界共通なんだと思います。誰でも『あの店、よかったな』と振り返る時、味よりも雰囲気を思い出しますよね。これからも、そんなふうに心に残る店を作っていきたいし、僕らにはそれができると思っています」

CarneSio east(取材店舗)
【取材店舗】
CarneSio east
株式会社 セレソン ─ 店舗情報 ─

CarneSio east

渋谷区恵比寿1-11-5 GEMS恵比寿3F

電話:050-3184-4331

好ちゃん 中目黒店

目黒区上目黒2-18-9 高伸ビル2F

電話:050-3187-9282

好ちゃん 飯田橋分家

千代田区富士見2-3-12 飯田橋西口ビル2F

電話:050-3184-0528

Trattoria Tanta Bocca

渋谷区千駄ヶ谷4-5-1 ニュー外苑ハイツ105

電話:050-3187-6924

Bistro Carnesio

渋谷区恵比寿西1-1-3 第一ビルB1F

電話:050-3184-2651

Trattoria Macco

千代田区内神田1-16-12 青木ビル1F

電話:050-3184-1912

café & trattoria Macco

川崎市麻生区万福寺1-18-1 小田急マルシェ新百合ヶ丘2F

電話:044-299-6210

現在10店舗展開中


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