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株式会社 浜倉的商店製作所 代表取締役 総合プロデューサー 浜倉 好宣さん

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年中、気軽に楽しめる“船上酒場”で、
東京湾に新しい船の文化を創りだす。

株式会社 浜倉的商店製作所

代表取締役 総合プロデューサー

浜倉 好宣

Yoshinori Hamakura

1967年、横須賀生まれ京都育ち。18才で手掛けた京都駅内の飲食店リニューアルでプロデュースデビュー。90年代、成長期の飲食企業各社の幹部を務め、2008年独立。株式会社 浜倉的商店製作所を設立。社会的ストーリーとミッションを具現化した数々の飲食店プロデュースに着手。その功績が評価され、「外食アワード2009中間流通・外食支援事業者賞」を受賞。著書に『僕は人も街も再生する酒場のプロデューサー』がある。

2017年7月掲載

豪華絢爛な御座船をプロデュース。気軽に楽しめる“船上の酒場”を目指す。

 恵比寿横丁、有楽町産直飲食街、浜焼酒場「鱗」ブランド、銀座コリドー街 OCEAN/RIB HOUSEなどのヒットブランドはもとより、年頭には世界的アーティスト村上隆氏のデザインオフィスまで、浜倉的商店製作所は数々の話題スポットのプロデュースを手掛けてきた。この食環境プロデュース集団を率いる総合プロデューサー、浜倉好宣氏はまさに“仕掛け人”と呼ぶにふさわしい。世間をアッと驚かせるチャレンジ、生み出す姿勢を決してゆるめない。

 複数のプロジェクトが進行するなかでも今、とりわけ注目を集めているのが「御座船 安宅丸」だ。400年の時を超え、江戸時代の豪華絢爛な御座船を見事に再現。最大500名乗船の堂々たる偉容で東京湾に浮かぶ。(東京ゲートブリッジを抜けた際、東京の景色を背景に羽田空港から発着する飛行機を船上から観られる、日本で唯一「安宅丸」でしか体験出来ない運航コースは圧巻!)

 果たして、浜倉氏は今、何を始めようとしているのか―――。

「気軽に乗れる“船上の酒場”を創れないだろうかと考えたのが、最初のきっかけです。クルージング船は特別な時に利用するイメージですし、屋形船といえばお料理は天ぷらが定番。何人か集まって予約しないと乗れません。何より夏場のものと限定されています。私は以前より単なる“夏の風物詩”にしておくのはもったいない、もっといろいろな業態があれば楽しいし、やってみたいと色んな場で言霊のようにくり返しているうちに、今回のお話が舞い込んできたのです」

 安宅丸は岡山県南部を中心に幅広く交通・運輸事業を展開する両備ホールディングスが瀬戸大橋開通を記念した博覧会のために造った船。“走るパビリオン”としての役割を終え、東京湾に進出。今年3月には、日本を代表するインダストリアルデザイナー水戸岡悦治氏によりグランドリニューアル。6月より浜倉的商店製作所は船内の料理・サービスに関しての全てを任されている。浜倉氏が思い描く“船上酒場”の実現に向け、その改革は始まったばかりだ。

インバウンド需要をとり込むインパクト大のメニューに一新。

安宅丸
▲御座船「安宅丸」運行の詳細は→http://www.gozabune.jp/

 以前、船上で提供されていた料理は、定番パーティメニューが並ぶビュッフェスタイル。今回のリニューアルでは、インパクトのある豪華なコースメニューに一新。“マグロづくし!”“特大タラバ蟹”とくれば、誰もが思わず惹きつけられるにちがいない。

 「マグロや蟹をメインにしたのは、やはり築地があるからです。インバウンド需要も意識し、築地のイメージが強い食材をメインにしました。外国の方にも伝わりやすく、印象に残るでしょう。それでいて、予約が入らないと扱えないようなメニューではありません。コースはマグロづくし、色々食べたい方々には14品チョイスのオードブルコースを選んでいただいています。もちろん、追加で一品メニューもツーオーダーで応えていきます。素材で勝負し、調理法はシンプルなので当日の仕込みで充分応じられるのです」

 とはいえ、カジュアルな利用を促すのが本来の目的。一般的な居酒屋では、コース料理はあくまでもサブに過ぎない。日常で気軽に使ってもらい、イベントや宴会の予約に繋げるというのが基本。その流れを押さえ、コースだけではなく敷居を低くしたメニューも考案している。

 柔軟かつ自在な発想力で、浜倉氏は着々とリニューアルを進める中、船という特殊なスペースならではの制約を逆手にとったアイディアで挑む。

「時間が限られているクルージングの為、調理したての気軽な一品をドリンクカウンター周りにデリカテッセンスタイルで販売し、お好みでチョイスして頂き、買い足すこともできます。テーブルだけではなく、甲板デッキでも気軽に飲みながらつまめるスタイルも加え、色んなニーズに応えられるお気軽で自由な船上利用を考えています。他にも、冬場に鍋を提供したいと思ったのですが、客席でガスは使えません。船には色んな規制があるので、お客様のニーズに合わせて、徐々に変えていくしかありません」

 運行時間の変更も容易には着手できないところ。そこで、安宅丸のウリの1つである演劇鑑賞を楽しめるコースでは料理を出すタイミングに合わせて開演時間をズラすなどタイムスケジュールも含めた、細々したオペレーションのブラッシュアップが必要だ。

 さらに浜倉氏の構想はクルーズを終えた後にまで及んでいる。現状では下船後、次に繰り出せそうなスポットが見当たらないからだ。

「夜9時15分に日の出桟橋に着いても周りには何もないので、お客様はシラけてしまいます。なので、楽しさの余韻を消さぬよう“送迎バス”で新橋や有楽町につなげたいと考えています。実はけっこう距離が近いですし、逆に、新橋や有楽町からも迎えにきてくれるならクルージングを楽しみたいというお客様も大勢いらっしゃるはず。そうして互いに活性化するサイクルをつくっていきたいと思います」

 今後、東京オリンピックに向け湾岸エリアは交通インフラが拡充。都心中枢部にダイレクトにつながるといわれているが、それに先駆けてのアクションになるだろう。両備ホールディングスがバス事業も運営していることもあり、思いのほか早く実現するかもしれない。

多様なニーズに応えながら“大人の溜まり場”を創り込んでいく。

 さまざまな制限があっても無論、船ならではの魅力は多い。日常から離れた異空間をたっぷりと満喫できる。一度、陸を離れると、同じ船に乗り合わせ、同じ夜景を眺めるお客様の間にはある種の一体感が生まれる。そこに、すべてのプロデュースのコンセプトを“大人の溜まり場づくり”とする浜倉氏の狙いがある。

浜倉 好宣さん

「船内に個室はありません。席の間を区切っていないので、初めて乗った人でも隣の人と話が弾んだり、仲良くなったりということもあるでしょう。横丁をわざと狭くつくって、人と人との距離を近くするというのとはまた表現が違いますが、自然とコミュニティが生まれる環境になっています。海の上にもこんな“溜まり場”があるんだよ、ということをたくさんの人に知ってもらいたいと思います」

 気軽な利用を推し進める一方で、都心に大箱の店が減少してきているという状況もあり、イベントや宴会のニーズも期待できる。

「忘年会や歓送迎会にも重宝されるでしょうし、運休日にはブライダルに利用したりと多目的に使えるはずです」

 2020年に向けて、世界中からのお客様をおもてなしするためにも、江戸情緒あふれる御座船は恰好のステージになるだろう。時代の要請に応えながら「安宅丸」は日々進化を続けていく。

「お店には完成はありません。日々創り込んでいくものです。急に変えるのではなく、こういうニーズもある、ああいうニーズもある、とお客様と一緒になって、この空間も少しずつ変化させていきたいと思います。そして東京湾に気軽に乗れる船上の酒場、新しい船の文化を創っていきます」

コミュニティが求められる今新たな街づくりが進行中。

 6月28日のアメ横「魚浜」に続き、7月26日には有楽町、新橋に続く「上野産直飲食街」が誕生し4店舗が同時オープンする。浜倉氏が手がける“大人の溜まり場”は多くの人々の支持を集め、着実に拡大している。

上野産直飲食街
▲7月26日新築飲食ビル1Fにグランドオープン!「上野産直飲食街」

「産直飲食街は山手線の各駅に1つずつあってもいいですよね。これからも街の性格に合わせた大人の溜まり場をつくっていきます」

 今、オリンピックを見越した都心再開発やショッピングモール等の建築ラッシュが続く中、浜倉氏への出店要請や環境プロデュース依頼が大幅に増加しており、都心部でのプロジェクトを多数抱えている。

「以前は私の発想はなかなか理解されず、お声がかからなかったのですが(笑)、キレイなお店ばかりではなく、横丁のような空間が必要なのではと皆が考えるようになってきています。いろんな人が集まる昔ながらのコミュニティが、見直されているのでしょう。今、飲食を超え、生活サービスや物販を含めた『ミニ街づくり商店街計画』や『フードホール併設の宿泊施設、文化施設のリノベーションの計画』を企画中です。24時間そこで過ごせる街にしたいと考えています。夜は昔からあるようなキャバレーやスナック、ショーが観られるような施設も誘致して、我々も得意の飲食で直営店を出し、コンパクトな楽しい街をつくる予定です」

 もちろん、浜倉氏の視線は社内にも注がれており、これらの街づくりプロジェクトは新しい雇用環境の創出につながると考えている。働き方の選択肢を増やす試みともいえるだろう。

「弊社は社員の年令層が広いので、若いときにはココ、子育て真っ最中はココ、年令を重ねればココというふうに個人の事情で職場を選べるように考えています。宿泊施設、併設したキッチンスタジアムフードホール、ブライダルで活躍を飾るステージ、狭い横丁での接客はなかなかハードですが、お客様が回転しない船なら落ちついて接客ができます。これからは商店街にある花屋さんをやってもらったり、中にはスナックのママになってもらう人もいたり(笑)、いろいろなキャスティングができる環境を用意したいと思います」

 既存の枠にとらわれない。やりたいことができなければ、できる環境をつくり出せばいいと浜倉氏は言い切る。

 飲食店に始まり、昔ながらの横丁に船上酒場、そして街づくりへと、飲食の枠を飛び越え、今後そのフィールドはどこまで広がっていくのであろうか。

上野産直飲食街
株式会社 浜倉的商店製作所 ─ 店舗情報 ─

■ 銀座コリドー街

RIB HOUSE
OCEAN HOUSE

■ 有楽町

有楽町産直飲食街
(魚○ ・九州料理「都久志屋」・東北「むつ味」)

■ 新橋

新橋産直飲食街
(魚○・牛○・鳥○)

■ 品川

魚貝センター
生ワインと魚貝フライパン料理の店「CHICHUKAI UOMARU

■ 渋谷

炉端と天ぷら さくら亭

■ 中野

浜焼酒場「中野ウロコ本店

■ 六本木

鮮魚酒場 魚浜

■ 恵比寿

恵比寿横丁」(鮮魚・浜焼酒場「魚○」・ホイル焼き酒場「銀○」・牛酒場「牛○」)

■ 新宿

産直酒場 下克上」「日本鮮魚甲殻類同好会

■ 日本橋

産直酒場 下克上

■ 上野

産地直送 呑み喰い処「食道楽
鮮魚酒場 魚浜
上野産直飲食街」(魚○・牛○・むつ味・バル貝〇) ※7月26日OPEN!

■ 神楽坂

生ワインと魚貝フライパン料理の店「CHICHUKAI UOMARU
産地直送 呑み喰い処「食道楽

■ グアム

NIHON SHOKUDO 魚◯本店


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