結論としては、法律上、お店側に不採用の理由を教える義務はありません。日本の法律では、企業側に「どんな人をどんな条件で雇用するか」について、広範囲に「採用の自由」を認めています。そして、裁判例によると、「採用の自由」には、採否決定の理由を明示、公開しないことの自由をも含むとしています。したがいまして、お店が不採用理由を教えてくれないのでしたら、それ以上はどうしようもありません。
また、採用選考するお店の側にも注意が必要です。まず、応募者に対しては、事前に「採否の理由を開示することはできない」旨を明示しておくべきです。また、実際に不採用の通知をする際には、応募者に不満や不信感を与えないような伝え方を心がけるべきです。不採用者も、明日のお客様であることを忘れてはいけません。
平成22年6月30日施行の育児介護休業法改正により、子が1才2ヶ月になるまで育児休業(以下、「育休」という)を取れる制度ができました。しかし、無条件で延長されたわけではなく、原則は従来どおり1才までであり、1才2ヶ月までの取得には、いくつかの条件があります。
まず、大前提となるのは、この延長制度は、母親も父親も育休を取ることが条件となっています。そのため、厚生労働省は、この制度のことを「パパ・ママ育休プラス」と呼んでいます。さらに、(1)配偶者が子の1才到達日(1才誕生日の前日)以前のいずれかの日に育休を取っていること (2)本人の育休開始日が子の1才到達日の翌日後でないこと (3)本人の育休開始日が、配偶者の育休初日前でないこと (4)育休を取れる期間は1年間(母の場合は産休を含めて)であること、といった条件があります。
具体例について、図を使って考えてみます。例1のようなケースが典型例として考えられます。例2は、父の育休期間が1年を超えているので、(4)を満たさず、父に育休プラス制度は適用されません。例3は○ですが、例4は(2)を満たさないので×です。例5は母より父の方が後から育休を取っているので、(3)を満たさず、母に育休プラス制度は適用されません(例2の父、例5の母は、原則どおり子の1才到達日まで取得することは可能です)。