第四十七回 ル・ヴェルデュリエ
2008.7.17

シェフの仕事


癒しと洗練の空間で堪能する、五感に心地よいフレンチ。


17世紀に建てられた南フランスのお城のドアをそのままエントランスに採用。この趣のある扉を開けると「ル・ヴェルデュリエ」の世界が広がります。

一枚板のカウンターが印象的なウェイティングバーでは、街並みの緑を切り取るピクチャーウィンドウで癒しのひとときが味わえます。フロアの木の温もりを噛みしめながらメインダイニングへと歩めば、坪庭には手入れの行き届いた植栽が光り輝いています。そしてコーナーにさりげなく置かれたガラスのオブジェが放つ都会的な造形美が、木・石・緑といった天然素材とバランスよく共鳴しているのです。

内装デザインはパワー主宰、新藤力氏。木工家具の制作は富田文雄氏によるもの。テーブルに着席するころには心地よく感性がリセットされ、同時に小林浩一シェフによる料理への期待感が最高潮に達する――。そんな空間になっています。

「田園調布など近隣からのお客様が多く、皆さん研ぎすまされた感性をお持ちです。それに負けないくらいの空間・料理・サービスをご用意したいと思っています」と語る小林シェフ。

オープンして7年目。お客様の要望に応えるほど、料理の素材も常にワンランク上のものへ。京都出身のシェフらしく、京野菜も積極的に取り入れています。

「京野菜は使い慣れているし、ごく自然に扱っている素材です。魚も牛肉も極上品です。どれくらい素晴らしい素材かというと、常連で百歳になられる紳士がいらっしゃるんですが、いつも和牛のステーキをペロッと召し上がっていますからね」


ビネガーとハーブの饗宴で、「重くない」コース料理を演出。


小林シェフの料理は、極上の素材を活かしながら、ビネガーやハーブで効果的に演出するキレの良さが特徴的です。25年もののレアなシェリービネガーや、ドイツからオーダーメイドで取り寄せたビネガーなどを大胆に使います。


「薩摩軍鶏のヴィエノワーズ仕立て」(写真右)は、シェフの代表作のひとつ。余熱で引き出す軍鶏の胸肉のしっとりとした柔らかさと、サクサクっと焼き上がった香草パン粉との、食感のマリアージュを楽しめる逸品でした。オクラのヌメリ具合も食感に深みを与えています。肉厚で量も多く、ソースもハッキリした味わいなのに、重さを感じさせません。まさに小林フレンチここにあり、です。

料理の発想力や引き出しの多さは、京都の調理師学校で講師をやっていた時代に築かれたそうです。

「日本やフランスから名だたる巨匠がゲストで来校し、プロ向けのセミナーを開催していたんですね。同世代の仲間が皆ビビッてしまう中、実習のアシスタント役に積極的に立候補し、一緒に料理を体感させていただいた事がいい経験になっています」

そんな小林シェフと同じキッチンに立つ若手スタッフたちは、かつてのシェフがそうだったように、自分の将来に向けて貴重な経験を積み重ねているのでしょう。とても活き活きと仕事をしていました。

「料理はひとりの力ではできません。ですから1人+1人=2人ではなく5人とかね。掛け算方式でパワーを出せるチームワークを目指しています」

料理

 

<MENU>

■シェフおまかせコース

 
■野菜と主としたコース

■プリフィックスコース

 



 


※ ( )内は、税・サービス料込みの価格です。

 

料理の一例:

 
・こごみ、ぜんまい、アオリイカのソテー フランボワーズの香り

 
・江戸前羽田沖穴子 柔らか煮のロースト 雑穀ピラフ添え

 
・薩摩軍鶏のヴィエノワーズ仕立て

 
・霜降和牛ステーキ ジュとニンニクの香り

10,000円(11,550円)

 

5,800円(6,699円)

 

A 4,500円(5,197円)

 

B 6,000円(6,930円)

 

C 8,500円(9,817円)

 

 

   

 

  ウェイティングバー   メインダイニング   個室  
  塩地(しおじ)の一枚板のカウンターが印象的なウェイティングバー。石壁に化石発見!   バーと同じフロアのメインダイニングは14テーブル。坪庭のグリーンが楽しめます。   階下には、アンティークなインテリアでしつらえた、大小ふたつの個室もあります。  

店舗情報

ル・ヴェルデュリエ
東京都大田区鵜の木3-2-10
tel.03-5741-7687
営:ランチ11:00〜14:00(L.O.)
   ディナー17:30〜21:00(L.O.)
休:水曜日
交:東急多摩川線鵜の木駅徒歩7分

 

<予告>次回のリレーキーワードは?
 
「ル・ヴェルデュリエ」→ 注目のパティシエ →「パティスリー ラ・スプランドゥール」

京都の言葉で時々ジョークを織りまぜながらの熱い語り口が小林シェフの気さくな人柄を感じさせてくれました。さて次回のお店としてご紹介いただいたのは久が原にあるパティスリー「ラ・スプランドゥール」さんです。「今注目度ナンバーワンのパティシエが藤川浩史さん。彼のお菓子はハートのこもった作品ばかりです。あそうそう、奥さんの笑顔も素敵ですョ(笑)」 このコーナー初のパティシエの登場。お菓子づくりにかけるご苦労や情熱についてレポートします。
文:高木 正人