第四十六回 キッチン岩嵜
2008.7.3

シェフの仕事


柔軟な姿勢であらゆる業態にチャレンジ。すべての経験が今、開花した。


岩嵜シェフにとって、川口市は初めて住む土地、仕事をするのも初チャレンジでした。大家さんとの出会いから、見知らぬ街・川口市でレストランをオープンさせることになったのです。

京都の調理師専門学校を出てから、様々な業態にチャレンジしてきました。

フレンチ、カフェ、イタリアン、学校給食、創作系の洋食、おにぎりカフェ、サンドイッチ、スペインレストラン、ケータリング……。神戸では生放送のTV料理番組のアシスタント役。六本木では、有名ブランドのレセプション用にピンチョスのフルコースを企画・提供したり……。あえて自分の枠を決めずに、その場その時に出会った仕事に真剣に取り組んできたわけです。

「すべての仕事が役に立っています。様々な業態を通して、お客様に対応する柔軟さ、臨機応変に仕事をするスタイルも学ぶことができました」

「キッチン岩嵜」をオープンした今こそ、そうした柔軟さが開花しつつあります。

「オープン当初、文字だけのメニューだと料理がイメージできないから写真を見せてくれというご要望を多数いただきまして。それでパソコン学校に通って、フォトショップとかを駆使して写真で楽しめるメニューをつくりました」

ディナーのために電話予約をするという習慣もあまり根付いていないため、突然ディナーコース目当てに訪れるお客様も。

「私の料理は仕込みをあえてしないアラミニッツスタイル。つくりたてを楽しんでいただきたいんですね。フレンチで学んだ手法が今、こうして活きているんです」


少しずつ岩嵜ファンが増えている。人に、地域に、支えられながら――。


都心部とは違って、川口市エリアのお客様はとても情が厚く、助け合いの精神も強く根付いています。


「子供がまだ小さくて留守番が出来なかった時、サービス担当の妻が店に来れなかったんですね。そうしたら、お客様が<うちで預かってあげるよ>と言ってくださって。ありがたいことですよね」

地元のお客様には、農家の方もいます。

「無人販売で入手できる素晴らしい野菜畑がたくさんあるんです。畑の主も皆さんご存じなので、サラダに使った野菜を<○○さんの野菜です>とご説明すると、<あっ、あの人いいですね>って盛り上がる(笑)」

岩嵜シェフの現在の自宅の大家さん、板橋さんも畑をもっています。

「今日のレディースランチのサラダは、今朝、板橋さんから分けていただいた野菜でつくります。その日の取れたて野菜をたっぷり使った<つくりたての季節野菜のポタージュスープ>も、この土地と人が分け与えてくれた財産です。私は皆さんに支えられているのです」

気がつけば、「キッチン岩嵜」は、川口市の地産地消を促進し、ファミレスやチェーン店にはない空気感の中、ゆったりと食事を楽しむという外食文化を提案する新拠点となりつつあるのです。

岩嵜シェフの最近の楽しみは「子供と近所で楽しむザリガニ採りや昆虫採集」だそう。いやー、羨ましいライフスタイルですね!

料理

 

<MENU>

■オムライス

 
■ハンバーグランチセット

■ハンバーグステーキ

 

■博多長茄子とトマト、バジル風味のスパゲティ

■作りたての季節野菜のポタージュスープ  

 

■シェフおまかせコース

1,500円

 

1,080円

 

1,200円

 

950円

 

780円

 

2,500円

   

 

  メニュー   ドレッシング販売   店内  
  これがパソコンで制作した、写真で魅せるメニュー。写真の輪郭のぼかしが効いてます。   好評のオリジナルドレッシングやバルサミコは、店内で購入できるようになりました。   シンプルなインテリアの中、ゆったり食事ができるようにテーブル席が配置されています。  

店舗情報

キッチン岩嵜
埼玉県川口市大字峯976
tel.048-298-8813
営:ランチ11:00〜15:30
   ディナー18:00〜22:00
休:日曜日
交:JR川口駅東口よりバスで25分
  東武線草加駅西口よりバスで15分

 

<予告>次回のリレーキーワードは?
 
「キッチン岩嵜」→ 学校時代の先生 →「ル・ヴェルデュリエ」

次回は川口市から再び都内へ。田園調布にもほど近い大田区の「ル・ヴェルデュリエ」さんにお邪魔いたします。シェフの小林浩一さんは、岩嵜シェフにとってまさに料理の先生だった人。「京都の調理師専門学校時代、私の先生でした。野菜の扱い方やフレンチの基礎など、、忘れられない講義をたくさん体験できたのが今役立っています」。「ル・ヴェルデュリエ」では、京都出身のシェフならではの、京野菜を取り入れたヘルシーなフレンチを提供しているそうです。お楽しみに!
文:高木 正人