第四十回 ボワヴェール
2008.3.20

シャモロック


生産者の誇りを「現代青森料理」に込めて――。


ひとつのことに惚れ込み、追求している人は輝いて見えるものです。川口カズノリシェフは、青森県の人、文化、素材に惚れ込み、その深い愛情を「現代青森料理」として表現しています。       

素材や生産者のこと、山や自然のこと、お客様に青森のことを説明しながら料理をする川口カズノリシェフは、とても楽しそう。まさに青森のプレゼンテーターと言えます 。

もともとはフレンチのシェフとして活躍。ブルゴーニュ地方で仕事をしていたこともあります。

「フレンチにはチーズやリエット、テリーヌといった食文化がありますが、青森にも真ダラのじゃっぱ汁や子和え、アンコウの共和えなどがあり、これらの共通点は保存の食文化が育んできたということ。青森の郷土料理は世界に誇れる食文化なんですね」

月に何度も青森に出向き、生産者と会って話をし、素材の試食を繰り返すほど、どんどん青森の食文化の深さに入り込んでいったそうです。

「生産者の皆さん、誇りをもって仕事をされています。そのエネルギーにいつも感動しまうんですね。私は東京の料理人として、生産者の誇りを伝えていきたいと思っています」

青森の素材をフレンチの技法で表現した「現代青森料理」の世界。「大鰐町 青森シャモロック 雛鶏のロースト 1/4サイズ」(写真左)は、柔らかく張りのある皮と、しなやかな肉質で、ここでしか出会えない美味しさ。「本日のカルパッチョ」では主役の平目を際立たせる名脇役として青森県産の長芋が使われていました。しかもドレッシングが美味いっ!


食を通して「粋」の文化を
日本へ、世界へ。


青森をカッコよく!――。
青森を世界へ!――。


様々なキャッチフレーズで、青森の魅力を伝えています。

「<粋>って素晴らしい言葉が日本にはあるじゃないですか。私は食を通して<粋>の文化を発信していきたいと思っています」

日本料理は、世界に認められた料理です。しかし、寿司やてんぷらだけが日本料理ではありません。

「次の段階では、世界のグルメたちが日本料理を細分化していくと思うんですね。私は世界から評価をいただけるような青森料理を目指しています」

さらに青森を発火点に、川口シェフの描くイメージは、日々広がりつつあります。

柔軟なアイディアで次々に「現代青森料理」を創造していくように、食文化に関する様々なコラボを計画中です。


「ドラゴンスープという会社を立ち上げました。北海道から沖縄まで、日本にはまだまだ素晴らしい産地や素材があります。生産者との絆を深め、ジャンルを越えたシェフたちとのネットワークをつくり、生産地の活性化やブランド化事業、あるいは町おこしのようなこともやっていきたいんですね。<ボワヴェール>は、そのひとつのモデルケースなのです」

川口シェフの今後の展開、楽しみです。

地酒ラベル


<MENU>

 

■六戸町 大西ハーブ園のガーデンサラダ  1,260円/1,680円


■大鰐町「青森シャモロック」のレバ刺し  1,260円

 

■津軽 相馬味噌の焼きオニギリとフォワグラのソテー  3,150円


■天間林村「黒にんにく」の薄焼きピザ  1,050円/1,470円

 


  カルパッチョ   日本酒   店内  
  本日のカルパッチョは「平目」。主役の平目が見事に引き立っていました。   「豊盃」、「田酒」、「菊盛」など貴重な地酒の他、レアな青森の焼酎もあります。   絵画がセンスよく配置された店内は、青森県のアートギャラリーのようでした。  

店舗情報

ボワヴェール
東京都港区西新橋1-13-4 B1
tel.03-5157-5800
営:ランチ火〜金12:00〜13:30
  ディナー月〜金18:00〜23:00(L.O.21:30)
  土18:00〜22:00(L.O.21:00)
休:日祝
交:都営三田線内幸町駅徒歩1分
  JR新橋駅日比谷口徒歩5分

 

<予告>次回のリレーキーワードは?
 
「ボワヴェール」→ 東北つながり →「グランビア」

川口シェフからご紹介いただいたのはスペインバル「グランビア」さんです。「ボワヴェール」さんは日本の粋を感じさせてくれましたが、スペインバルという業態も粋ですよね。金子裕二シェフは、秋田県に生ハム工房をつくってしまうほどの情熱家だそうです。生ハムの魅力、スペインよもやま話など、貴重なお話を伺ってきたいと思います。
文:高木 正人