第三十九回 クロープクルア
2008.3.06

トムヤムクン麺


フレンチのシェフから一転、タイ・ベトナム料理の追求へとシフト。


写真の料理は「クイッティオ・トム・ヤム」です。ライスヌードルをすくえば激辛のトムヤムクンスープが絡み、タイ料理ならではの爽やかな香りが立ちこめます。       

私は酸っぱいのが苦手なのですが、このトムヤムクンスープなら大丈夫。深いダシをベースに、塩味、酸味、甘味、辛味、4つの味わいがバランスよく共生しています。つけ合わせでいただいたタイのジャスミン米で、ラーメンライスならぬクイッティオライスを楽しみました。

やがて脳天から汗が吹き出し、新陳代謝全開モードに。冬眠していた毛穴が一気に目覚めていきます。ライスヌードルをすすっては汗を拭い、濃厚なスープを口に含んでは汗を拭い、ハンカチはすぐにビショビショ。次回はバスタオル持参で格闘しようと、心に決めたのでした(笑)

高梨勇シェフは以前フレンチのシェフとして活躍していましたが、旅先で触れたタイやベトナムの食文化が持つ<素材を活かす技法>に共感。タイベトナム料理の追求へと方向転換しました。「クロープクルア」のオープンは2001年。今も毎年、タイとベトナムを訪問しています。

「ベトナムでは、ホーチミンのある南の郷土料理に始まって、北のハノイへと毎回エリアごとに食べ歩きを続けています。南は甘味が強めで、ハノイあたりになると中華料理に近くなる。南北に長い国ですからバリエーションが豊かで面白いですね」

素材を活かし、日本の四季に合うタイ・ベトナム料理を提案しています。

「夏のタイスキもいいですが、寒い冬こそタイスキを楽しんでいただきたいですね。また、タイスタイルのおでん<カイ・パロー>もこの時期には最高です。これからも日本の四季を意識してメニューづくりを工夫していきます」


お好きなテイストでどうぞ。
ベトナムワインもリストアップ。

メニューには「クロープクルア」ならではのアイディアと工夫が反映されています。

シーフード料理も肉料理も、素材を選んで、さらに好みの調理方法をオーダーできる仕組みになっています。

例えば、素材にマングローブカニを選び、チリココナッツソースでグリル「チューチー」にしてもよし、レモングラスとハーブの香り蒸し「ポーテック」にするのもOK。いくつかの素材をミックスにしても、もちろん構いません。

鍋料理も、野菜セットをベースに、そこに自分の好きな素材を、有頭エビ1本からでも好きなだけオーダーできます。辛さ調整も可能です。

そして何と言ってもソムリエの資格をもつ奥様、高梨佳枝さんオススメのワインも充実。タイ・ベトナム料理とワイン。新しい発見があるかもしれませんね。

このように、お客様が選べる範囲をとても広くとってあるメニュー構成となっています。参加型メニューと言えるかもしれません。


「この料理は好きだけど、この素材は苦手といったお客様でも、お好きな組み合わせにアレンジできるので喜んでいただいております。それに、このメニュー構成にしてから素材のロスが激減したというメリットも見逃せません」

お客様にもお店にも嬉しい、皆が幸せになれるメニュー、素晴らしいですよね!

ソムリエ

 

<MENU>

 

■前菜の盛り合わせ シェフおすすめの4品(2名様〜)  1,470円


■ソム・タム・タイ〜イサーン地方の青パパイヤのスパイシーサラダ〜 945円

 

■バインセオ〜ベトナム屋台スタイルのお好み焼き〜

Sサイズ 785円  Lサイズ 1,260円


■クイッティオ・パット・タイ〜代表的な焼きビーフン〜 1,050円


■ゲーン・キョワーン・グン〜エビのグリーンカレー〜 985円

 

 

  おふたり   ヌクマム   店内  
  シェフとソムリエ。それぞれの仕事を
楽しんでいるおふたりでした。
  左がナンプラー、右がヌクマム。香りの強い ヌクマムを調味料に使います。   現地で買い付けてきたという小物がアジアン
な雰囲気を醸し出していました。
 

店舗情報

クロープクルア
東京都台東区浅草1−33−4 斉藤ビル2F
tel.03-3847-3461
営:ランチ11:30〜15:00(L.O.14:30)
  ディナー18:00〜23:00(L.O.22:00)

  日、祝:12:00〜21:00(L.O.20:00)
休:火曜日
交:各線浅草駅徒歩3分

 

<予告>次回のリレーキーワードは?
 
「クロープクルア」→ エリア追求型シェフ →「ボワヴェール」

タイ・ベトナムの食文化を愛する高梨シェフのお話いかがでしたか。次回登場いただくのは、現代青森料理を追求する「ボワヴェール」のシェフ、川口カズノリさんです。タイ・ベトナムと青森県、国は違いますがおふたりともエリアへの深い理解と愛情をお持ちです。「川口シェフは大阪出身でありながら、<青森を世界へ!>と気合いの入った仕事人です」とのこと。伝統的かつ新しい食の世界をレポートします。
文:高木 正人