第二十二回 沖縄料理 ななまかい
2007.6.21

比嘉 吉光さん

沖縄料理店には、楽器のチューニングという仕込みがある。

PM2時。オープン2周年記念ライブの当日。朝から仕込みに入っているのは、沖縄県中城村出身の比嘉さんファミリー。

長男の料理人、悟史さんが大量のゴーヤを切り、初美おかぁ(お姉さん)が掃除や買い物に走り回る。比嘉さん自身は、三線やギターを取り出し、ライブに備えて念入りにチューニングを行う。沖縄料理店では、楽器のチューニングも立派な「仕込み」なのだ。

 

「うわぁ、開店時間まであと3時間しかないっ。チューニングが終わり次第、キッチンに入らないと。今夜は沖縄からもお客様が来るし、失礼があってはならないからね」

 

都内の大手流通業でのサラリーマン時代から、仕事仲間を家に招いて沖縄料理を振る舞っていた。周囲から「早く脱サラしてお店をやってくれよ」と期待が寄せられていた。

 

比嘉さんが目指したコンセプトは「誰からも愛される、開かれたお店」。窓も大きく、通りを行き交う人がお店の様子を伺うことができる。ライブで奏でる沖縄音楽も、民謡からポップスまで幅広い。そして接客サービスの初美おかぁがいつでもにこやか。沖縄のこと、料理のこと、何でも教えてくれる。

 

「それがね、泡盛のことなんて、地元の人の方がよく知っていらっしゃるんです(笑) 教えられ、育てられているのは、私たちの方なんですよ」と、とても謙虚なおかぁだ。

 

営業時間までの間、鶴見川の奥に広がる通称沖縄ストリートをブルーシールアイスを頬ばりながら散策。そして、夕方、提灯に明かりが点った「ななまかい」に帰った時には、すでに満席状態だった。


10周年には、古酒(クース)でお客様と乾杯したい。

前回の取材店「ちばりよ」の島袋さんお奨めの「ソーキの唐揚」をオーダーした。余分な脂が落ちた豚肉がオリオン生ビールに合う! チュパチュパと骨までしゃぶってしまう美味さだ。

 

泡盛は「菊乃露」30度のストレートをチョイス。水もいただいたのだが、還元水によるアルカリ性のまろやかさが、宮古島の名水で仕込まれた「菊乃露」の甘みをさらに引き立ててくれる。

 

PM7時。ドラムス担当の津芳さん(お兄さん)、沖縄で民謡修行中のKIKOちゃんらが駆けつけ、「安里屋ユンタ」でライブがスタート♪

 

マタハーリヌ ツンダラ カヌシャマヨー♪ と大合唱となり、すぐに店内が一体化する。これぞ、沖縄ミュージックのパワーだ。

 

最近の居酒屋は個室に人気が集中しているが、沖縄料理「ななまかい」は、店全体が皆で楽しむ個室なのだ。踊りだす人、泡盛を酌み交わす人、いっしょに唄う人、スタッフもお客様も皆仲良く、沖縄ナイトを共有している。

 

鶴見の街の片隅で、沖縄以上に沖縄的な雰囲気に出会うことができる場所、それが「ななまかい」だ。

沖縄には「古酒(クース)」を育てるという文化がある。甕に好みの泡盛を継ぎ、10年、20年と寝かして、記念日などに香りと味わいの深まった「古酒(クース)」を楽しむのだ。

 

「皆さんの応援があって無事2周年を迎えることができました。これを機に、私もクースを育ててみようかと思っています。そして、10周年記念の夜にでも、皆さんとクースで乾杯できたら最高ですね」

ライブ

<MENU>
沖縄家庭料理
■ソーキの唐揚げ
■ミミガー
■ゴーヤチャンプルー
■沖縄そば

中600円〜大800円
580円
750円
750円
  泡盛
■グラス
■1合カラカラ
■ボトル

400円〜
1000円〜
3500円〜



※ ライブは毎週水曜日に開催。
(チャージなし・要予約)

ソーキの唐揚   比嘉吉光さん   店内
人気メニュー「ソーキの唐揚」。サイズは大小あり。オリオン生ビールのつまみにピッタリ!
とても気さくな比嘉吉光さん。「店やってよかった。毎日、人の輪が広がっていくから」
赤瓦、シーサーが雰囲気抜群の外観と、大型モニターもある家庭的で落ち着いた店内。
 
店舗情報
沖縄料理 ななまかい
横浜市鶴見区鶴見中央1-18-2 徳永ビル
tel.045-521-2953
営業時間:17:00〜0:00(L.O.23:30)
ディナー平日17:00〜翌0:00(L.O.23:00)
定休日:日曜日
交通:JR鶴見駅徒歩5分
 
<予告>次回のリレーキーワードは?
 
「沖縄料理 ななまかい」→ 麺つながり → 「ラーメン麺丸」

うちなー(沖縄)に沖縄そばがあれば、やまと(ないち)にはラーメンがある。というわけで、次回はこの夏、ラーメン激戦区国道15号線沿いにオープンしたばかりの「麺丸」さんへ直撃ルポ。ラーメンづくりを真剣に考えている店主、坂内さんの「哲学」について伺います。
文:高木 正人