「UDON」

2006年 日本  134分
■監督:本広克行
■脚本:戸田山雅司
■出演:ユースケ・サンタマリア 小西真奈美 
トータス松本(ウルフルズ) 鈴木京香 木場勝己 
小日向文世 升毅 片桐仁(ラーメンズ) 要潤 江守徹
■制作プロダクション:ROBOT
■配給:東宝
この情報は2006年8月時点のものです。

 

 

ブームの“現場”に興味シンシン!
夢やぶれ、NYから香川に舞い戻った松井香助(ユースケ・サンタマリア)。姉の万里(鈴木京香)夫婦は優しく迎えてくれたものの、頑固なうどん職人の父(木場勝己)は故郷を捨てた息子に冷たい態度をとる。そんな中、香助は偶然知りあったタウン誌の編集者・恭子(小西真奈美)と、感動するほどおいしい讃岐うどんに遭遇する。その体験を元にした連載“うどん巡礼記”が始まるや、タウン誌の売上げが急増! やがて、讃岐うどんブームが巻き起こるが・・・。
てんこ盛り度
料理の魅力度
総評
初心者はもちろん、讃岐うどん巡礼者もカルトクイズのノリで楽しめる。どちらにせよ、終映後のうどん屋駆け込みは必至。これでブーム再来か!?

 

シコシコ麺に卵とネギ乗せ、醤油をひと回し・・・。
讃岐うどんが主役の娯楽映画がやってきた!


フードファイトさながらの食べっぷり

  「そういや、讃岐うどんを紹介してる本ってないな」。「タウン情報さぬき」で働き始めた香助は、営業先の書店でふと気付く。香川の住人にすれば、それはあまりにありふれた存在。しかし旅行者にとって、看板も出してないうどん屋を見つけるのは至難の業だ。ガイドブックがあれば、絶対に売れる…! そう踏んだ香助は、さっそく同僚の恭子に名店紹介の連載を持ちかける。
  これが予想以上の大反響! 大幅に売上げ部数が伸びたタウン誌は、月刊から月2回発行へと増刊される。かくしてタウン誌スタッフは総動員で、まだ見ぬ名店を探し出すべく、うどんを食べまくる。
  とはいえ香川は、日本で一番面積が狭い県。そんなにうどん屋があるのか?と心配になるが、そこはさすが“うどんの国”。人口約100万人の県内に、なんと900軒のうどん屋があるそうだ。ちなみに、1250万人が住む東京都内にあるマクドナルドは515軒。どれだけ香川でうどんが食べられているのか、容易に想像できる。
  かくしてタウン誌スタッフは連日うどん屋巡りをするハメに。とにかく次から次へと、食べて食べて食べまくる! それはもう、フードファイトのドキュメンタリーかと見まごうほど豪快な食べっぷりだ。

恐るべし! うどん屋“香川ルール”

  彼らが食べ歩くうどん屋は、どれも実在のお店だ(主人公の実家「松井製麺所」のみセット)。従業員のおじちゃんやおばちゃんもホンモノ。その演技(?)があまりにリアルで、伝わってくるのんびりした現地の雰囲気に、思わず頬がゆるんでしまう。
  そんなシロウトさんに混じって、次々と登場する豪華なゲスト出演者も見どころだ。彼らの見事な溶け込みぶりには、アッと驚かされるはず。ほんの数秒の出場のために遠路はるばる香川入りした役者たちだが、誰も文句は言わなかっただろう。プライベートでも思う存分、本場のうどんを堪能したはずだから。
   しかし豪華ゲスト以上に驚かされるのが、うどん屋“香川ルール”の数々だ。「おばちゃん、ネギある?」「外にいくらでも」。 …客が畑で直どり!? セルフサービスにもほどがある。いやぁ、日本って広いなぁ。
  テーマこそ讃岐うどんという非常にシンプルな1品なのに、この映画にはありとあらゆる要素が複雑に織り込まれている。親子の確執、人生の決め時、感動的なヒューマンドラマ、うどんブームの始まりと終焉。さらにそこへ、監督が200軒のうどん屋を取材して得たエピソードが、これでもかと詰め込まれている。まるで五目めしのような映画なのだ。


文:谷藤さおり

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