レシピ通りの料理しか作らない女料理人の 成長を描くファンタジック・ラブコメディ 超豪華! 華流スター勢揃い!! 仕事を持ち、しっかりと自立したヨウはいわゆる“イイ歳”の大人の女だ。常にしゃんとしている彼女は、いかにも余裕たっぷりに見える。しかし実際のところ、恋愛では勇気を持てず1人ズモウばかりだし、まだ仕事にも完璧な自信と覚悟を持っているわけではない。すました外見とは裏腹に、心中はみっともないほど揺らいでいる。 しかし彼女は、年下の助手の意見にも耳を傾ける。自分より魅力的な友人に対しても、ひがむのではなく、素直に称賛する気持ちを持っている。なんとも潔くてしなやかな、小気味よい性分のヒロインなのだ。 そんなヨウが恋と友情に大いに悩まされ、結果的に人間としても料理人としても大きく成長していく物語なのだが、まさに華流(韓国の「韓流」に対し、中国語圏のエンターテイメント界を指す)スターが勢揃いした豪華キャストも大きな見どころだ。 ヒロインの元恋人役にアジアが誇る大スター、アンディ・ラウ。ヒロインの助手クーリーに、アイドルグループ「F4」のジェリー・イェン。さらに女も惚れるほど優雅で美しい友人役に『M:i:III』で本格ハリウッド進出を果たしたマギー・Qと、かなりのビッグネームが揃う。さらに『インファナル・アフェア』のアンソニー・ウォン、イケメン俳優ダニエル・ウーのゲスト出演も、華流ファンには感涙モノだ。 オリジナリティを身に付けるために まるで家に友人を招くような、アットホームな雰囲気のヨウのレストラン。助手と2人で切り盛りする店はこぢんまりとしているが気が利いていて、いかにも快適そうだ。運ばれてくる料理も彩り鮮やかで、女性らしい温もりに満ちたメニューばかり。しかしヨウは、死んだ母のレシピに頼りきりで、自分の料理を作ろうとはしない。 実はヨウの一族は、「女は天才的な料理の才能を持つが、必ず恋人に捨てられる」呪いをかけられている。料理の仕事に本腰を入れるのは、母が語ったそんなマユツバの話を現実にしてしまいそうで、恐いのかもしれない。だが、本当にそれだけが理由だろうか? そこにはオリジナルで真剣勝負すれば、自分の力量がハッキリしてしまうことへの恐怖が見え隠れする。 ラスト、TV番組のキッチン・スタジアムに立ったヨウは、お題の素材を、恐怖心や雑念を追い払うように目を閉じて味わう。そして前より決断力を身に付けた彼女は、自由で大胆な料理を作り上げる。結局のところ、オリジナリティ溢れる仕事をする勇気を得るためには、自分が成長して自信をつけるしかない。そんな教訓まで与えてくれる、なかなか味わい深いラブコメだ。 文:谷藤さおり
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